ヒキガエル本2―カエル合戦

久居宣夫/著 吉崎正巳/画
福音館書店 1984年 72P 22×18cm
小学校中級~高校むき
この本も残念ながら絶版です。
表紙だけ見ると絵本のようですが、中身は港区白金台の自然教育園で行われたヒキガエルの研究をまとめた読み物です。平易な文章で小学生でも読めますが、大人でも充分楽しめる内容です。
当時ほとんど知られていなかったヒキガエルの生態を調査するため、10年以上チームを組んで、合わせて約2800匹のヒキガエルに個体識別番号を付けて毎月記録していったとのこと。夜暗い中で探して捕まえるのも大変だったことでしょう。こういう地道な作業のお陰で多くのことが判明したわけです。日常の行動、オスメスの成長の違い、産卵の条件など……。

なお、国立科学博物館のサイト内の「私の研究」というコーナーに久居氏のページがあり、発信器を付けたヒキガエルの写真も見られます。
番号を付けたカエルの数から園内すべてのヒキガエル生息数を推定する方法、卵の重さや1匹のメスが産む卵の数の調べ方など、やり方が子どもにもわかるように説明してあります。夏休みの自由研究とかでデータを取るのに応用できそう。
別の環境では暮らし方が異なることや、まだ解明されていない謎なども示されていて、自分も研究してみたい!という気にさせられました。
※福音館書店の許可を受けて画像を掲載しています。
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