
12月半ば、ハラビロさんは寝たきりカマキリになりました。よじ登る力がなくなり、止まり木の下の方で常に腹を床に付けた状態です。
それでもこの頃は目の前に来た餌を自力で捕らえることができました。


数日経つと完全にひっくり返ってしまいました。カメラを向けると慌ててカマを伸ばし、木につかまって体を起こしますがやはり腹は床に付いたままです。中肢と後ろ肢はまともに動かず、ほとんど腕の力だけで木に留まっています。
ふと見ると、左の中肢が途中からちぎれています。あれ?最初は全部揃っていたはずなのに、と思って見ていたら……。
餌用に入れたコオロギが、カマキリの右の中肢の先をかじっていました! 犯人はこいつか~!!
振り払う力もなくかじられてしまったようです。かわいそうなことをしました。

止まり木からカマを放すと体を支えられないため、もう自力で虫を捕まえることはできません。ピンセットで餌を与えることにしました。
口元に虫を近づけるともぐもぐ食べ始めます。食いついたところでカマを振り上げたら、ピンセットを放して虫を手渡してやります。1-2日おきにSサイズコオロギを2-3匹ずつ与えました。


食欲はありますが、次第にカマの動きが鈍くなりうまくつかめなくなりました。最後の方は手放しで食べるので、食べやすいよう小さなコオロギを選んでやりました。

介護状態になって10日目の昨日、いつものように木につかまっているものの様子がおかしいのに気付きました。体の色が全体に黒ずんでツヤがないのです。かすかに動いていますが生気がありません。
その後しばらくして見ると、縮こまってもう動かなくなっていました。先端のなくなった中肢はいつの間にか更に短くなって、茶色く変色していました。
今日、ハラビロさんは庭に埋葬しました。もう少しで年を越せたと思うと残念ですが、うちに来た時点で既にぼろぼろだったので、本来ならそろそろ寿命だったのでしょう。それなりに長生きできてよかったです。
心配していたハリガネムシは、亡くなってからも出てくる様子がなかったので寄生されていなかったのでしょうね。見られなくて半分残念、半分ほっとしました。