きみちゃん、未だに掴んでも鳴かないし、指にタコもない。女の子だと思うんですよ。ただね……。
先日、窓の外を眺めているきみちゃんの喉の奥から、かすかに「きゅるきゅるきゅる」という音が聞こえてきました。ぴょんちゃんの声とは明らかに違って、本当に小さな音で動画に撮ってみても全く聞こえない程度。だから鳴き声なのかは怪しいですが、一応オスメスの判別はもうしばらく保留にしておきます。
ヒキガエルの性別の見分け方、一部は以前紹介した本「
かえるよ!カエル」にあります。ちょっと見づらいですが、ちょうどそのページの画像を出版社の許可を取って載せてますので、参考にどうぞ。
(再掲の許可取るのは面倒なので、上のリンクから記事を見てくださいね)
ただ、これは野外で多くのヒキガエルを観察する時の方法だと思います。うちではたった3匹しか見ていないので、個体差が大きい部分はあまり当てになりません。それに、飼育した場合、うちのように冬眠させてないと繁殖期は曖昧です。
他にも飼育していて気付いた点やいろいろ調べた雌雄の違いも合わせて、ここで紹介しておきます。
1)鳴き声オスは鳴く、メスは鳴かない。鳴いたらオスは確定ですが、鳴かないからメスとは限りません。未熟で鳴けないのか、鳴きたくないのか、声が出づらい個体なのかも。なお、日本のヒキガエルは他のカエルのような鳴嚢(鳴き袋)を持たないので、小さな可愛らしい声しか出しません。
ぴょんちゃんを見ていると、他の子に踏まれた時や人に脇腹を掴まれた時に「こっこっこっ」とリリースコールをするほか、フンが出た時やおなかが痛い時に「きゅー!」と玩具のラッパのような声で鳴きます。たまに何もない時に「きゅきゅっ」とちょっとだけ鳴くこともあります。同じように掴んでもなかなか鳴かない時もあれば、手を近づけただけで触ってないのに「ひぃー」と悲鳴を上げることも。ぼんちゃんは「ふしゅー」と鼻息だけで、亡くなるまで一切声は出ませんでした。
ちなみにぴょんちゃんの初鳴きは上陸した年の11月半ばでした。室内飼育では成長が早いので、野生のカエルではもっと後になると思います。
2)抱きダコ(婚姻瘤)オスの両手、内側の3本の指には黒っぽいタコが出来ます。メスの背中に抱接するとき、両手の甲で挟むようにするので、滑り止めになるらしいです。タコがなくてもメス確定にはなりませんが、ぱっと見てわかりやすく、オスの判別におすすめの方法です。

ぴょんちゃんの場合は指2本ずつですが、1歳直前の4月に出来ました。これも野生の場合、もっと後になるのでしょう。
「かえるよ!カエル」には「夏から秋の初めにはありません」とありますが、ぴょんちゃんは
夏でも多少色が薄くなるものの残っていて一年中見られます。もしかしたら本来の繁殖期には、もっとはっきり黒くなるものなのかもしれませんね。
3)横から見た顔の形「かえるよ!カエル」によると、「メスの鼻先はほとんどのびておらず、ほぼ直角に落ちていて、丸く見えます。メスの口はオスの口より大きくさけているので、耳の後ろまであります」「オスの鼻先は少し前にのびて、とがったように見えます」だそうです。
過去にぴょんちゃんとぼんちゃんの横顔を比較した記事がありますが、そこまではっきりした違いはないような……。比べればぼんちゃんの方が丸っこいかなという程度です。
>>1年目(0歳)の11月>>4年目(3歳)の5月


それでもってきみちゃんの最近の横顔を見ると、結構鼻先長いんですよ。3月頃まではもっと丸顔だったのに痩せましたからねえ。
でもちょっと角度を変えると丸っこく見えますし、う〜ん、顔で見分けるのは難しいと思います。
更にぴょんちゃんは年々鼻先が短くなってきているような……。やっぱり分かりづらいです。


※コメント欄に書きましたが、正面から見た方が違いが分かりやすいかもしれません。
4)腕の太さ
オスの前足はがっちりたくましく、特に肘から先がぶっといです。ぴょんちゃんの場合、2歳の夏を過ぎた頃から特にはっきりしてきました。
顔立ちよりは見分けやすい特徴だと思います。ただ、比較対象がいないと分かりづらいかも。それに痩せると腕も少し細くなります。
5)成長の違い見分け方としては役に立ちませんが、オスの方が成熟が早く、2〜3年で繁殖に参加できるようになります。メスはそれより1年くらい遅れます。最終的にはメスの方がオスより大きくなるようです。
ただ成長速度は栄養状態や個体差が大きいと思います。きみちゃんはやたらと成長早かったですね。ぴょんちゃんとぼんちゃんでは1年目はぴょんちゃんの方が若干早く大きくなりましたが、その後は交互に食欲が落ちたり体調を崩したりで抜きつ抜かれつ。ぼんちゃんがずっと元気でいれば、ぴょんちゃんより大きくなったのでしょうか。
6)イボの大きさメスのイボはぼこぼこと出っ張り、オスの方が小さめで数も少ない。特に繁殖期にはオスのイボが消えてぬるっとした感じになるらしいです。
※ニホンヒキはアズマヒキと異なり、繁殖期のオスもイボが残るそうです。

ぴょんちゃんとぼんちゃんが並んでいるのを見ると、ぴょんちゃんの方がイボが目立ちませんでした。ただ、脱皮の時などはちょっと膨らんで見えます。それに若い頃の方がイボがくっきりしていたような……。
きみちゃんのイボは大きめだけど、形はぼんちゃんのように丸いものばかりではなく、ぴょんちゃんのように細長いものも。うーん、微妙。
7)婚姻色普段の体色は個体差が大きく、周りの環境などによっても多少変化します。「
いのちのかんさつ2 カエル」によると、「オスは抱接のときに体の色が明るく黄色っぽい色に変わる」そうです。ただ、変わらないものもいるし、途中で急に色が変わったりもするとのこと。
よそのブログなどでカエル合戦の写真を見ると、やたら黄色く目立つことがありますね。我が家では繁殖行動は取らないので、ぴょんちゃんは婚姻色になりません。彼のおなかが黄色っぽいのは元々の色です。